*** 自分の為にだけは泣きたくなかった 自分の為にだけしか泣けなかった *** あのとき 嘘だと叫べばみんな嘘になったのだろうか *** 反省と後悔の区別も付かずに *** 肌に心地よく冷たい風が、甘ったるい金木犀の花の匂いを運ぶ。今の 私にはどうしてもこの匂いが好きになれなくて、見ればそこここに小 さく可愛らしい花が地面に落ちているのが見えるのだけれど、その色 もほんの少し憎らしくなってしまった。 *** 夢の中の私は滑稽で、それこそ死ぬほど滑稽で 目が覚めた私は *** この涙をどうにかして消さないと 頭をめぐるのはそればかり ***